独習Ruby (Ruby3)
業務で Java や C# の経験はありますが、独学で学んだ VBA や javascript の方が触れている時間は長いと思います。 Ruby 自体はほとんど触れたことはないのですが、個人的に Ruby についても学びたいと思いこちらの本を読ませていただきました。 なので、私と同じく他言語を多少の勉強をしていて「これから Ruby についても知りたい」と思っている人に参考になるように、そういった視点で見たときのこちらの本を紹介させていただきます。
私は新しく言語を勉強するときはまず何かしらサンプルアプリを完成させ、それらを改造したりして動きを確認していくことで扱い方や作り方を覚えるというやり方をしています。
しかし、こちらの本はアプリを作りながら学んでいくというような、学習方法の為の本ではありません。
読者レベルについても背表紙に説明がある通り「各種の入門書・初心者向け学習書」を終えた次のステップを目指す方が対象のため、これからプログラムを勉強したいという入門者の方もいきなりこちらの本を手に取ると少し難しいと感じました。
この本の内容は Ruby の言語仕様や標準ライブラリなどについてをひとつずつ取り上げ解説していく教科書的な内容となっています。 しかし、環境構築で Visual Studio Code の設定の仕方やインストールすると便利な拡張機能の使い方や解説が書いてあったので実際にコードを動かしながら確認するのに助かりました。
ある程度プログラム言語に理解があるのであれば基礎的な部分については実際に動かしたりしなくても、読みすすめるだけで Ruby の言語仕様について学べます。私は他言語を既にある程度扱っているので、構文の書き方の違いを確認するような形で読み進めました。
この本はとても厚くボリュームがありますが、その分丁寧に解説されており図やサンプルコードも多いので理解しやすいです。 とくにサンプルコードはその仕様の確認のために短いコードでまとめられていてポイントが分かりやすいのと、複数のパターンで書いてあるものもありそれぞれの違いや使い分けを知ることができます。 気になったコードは読みすすめるだけでなく、すぐに実行して確認できるのでそれもよかったです。
これからアプリ開発の勉強で理解がとくに重要に感じるのが第9章以降の「オブジェクト指向プログラミング」で、クラスの使い方やアクセサーメソッドの意味などは初学者が躓きやすいポイントなので、サンプルプログラムもあり丁寧に書いてあるのがよいと思いました。 継承であったり例外処理などアプリ開発でのポイントはだいたい書いてあるので、これらの内容を一読しておくと開発の勉強をするときに理解が早くなるかもしれません。
実際にRubyのアプリケーションを作りながら学習していく中では、サンプルアプリケーションを使って進めるような本や、WEBで調べながら進めていく際にこちらの本を手元に置いておくと良いのではないかと思います。 サンプルアプリを作る参考書などの場合には、コードの全てについて解説していることがあまりないので、そうした解説不足を補ったりさらに理解を深めるのに使用することでさらに Ruby について知ることができると思います。